中小企業の会計指針
 

 


 

    中小企業の会計指針  18年4月25日改正

 

★3つの団体(税理士会、公認会計士会、日本商工会議所)の考えが1つにまとめられ、今年4月25日に「中小企業に関する会計指針」として発表されました。

これは大企業に適用される厳格な会計基準を、中小企業でも採用できるような内容とし、中小企業の決算書の信頼性・透明性を高めることを目的としています。

★その内容は今後、中小企業が会社の決算書作成に際して考慮すべき考え方・指針であり、税理士が会計参与に就任した場合はこの指針に拠ることが求められています。

★つまり会計指針は会社の決算書の透明性・信頼性を高めるための基本的考え方を示すものであり、決算書作成のためのマニュアルではありません。

★会計指針の対象となる計算書(決算書)は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つからなります。

★会計指針の中には、従来、税法さえ守っていれば適当でよかった項目が会計理論とぶつかるケースも出てきます。例えば固定資産の減価償却。

★賞与引当金や退職給付引当金の計上、ゴルフ会員権の減損処理などは、税法では損金計上を認めていません。

以下会計指針の主な項目(当事務所のお客様に関係ありそうな項目)を列挙してみました。

1、金銭債権より:

@法的に消滅した債権および回収不能な債権は、その金額を貸倒損失として計上し、債権金額から控除しなければならない。

A取立不能のおそれがある金銭債権について、取立不能見込み額を貸倒引当金として計上しなければならない。

2、有価証券より:

@有価証券(株式、債券、投資信託等)は、保有目的から次の4つに分類し、その分類ごとに評価を行う。

売買目的有価証券、満期保有目的」の債権、子会社株式及び関連会社株式、その他の有価証券

3、棚卸資産より:

@期間損益の計算上大きな弊害がなければ、最終仕入原価法を採用してもよい。

A原価法を採用している場合に、時価が大きく下落し回復の見込みがないときは、時価で評価しなくてはならない。

4、固定資産より:

@減価償却は経営状況により任意に行うことなく、継続して規則的な償却を行わなくてはならない。

A研究開発に該当するソフトウェアは研究開発費として費用処理し、研究開発に該当しない社内利用のソフトウェアは無形固定資産として計上しなくてはならない。

B時価が50%以上下落しているもの、又は時価がないものについては発行会社の状態の悪化により減損処理を行う。

5、繰延資産より:

@繰延資産は会社法上のものに限定し、償却期間は当分の間、創立費、開業費、研究費、開発費は5年以内とする。

A権利金等税法固有の繰延資産は、資産の投資等の部に長期前払費用として計上し、支出の効果の及ぶ期間で償却する。但し、支出の効果が期待されなくなったときは一時に償却しなければならない。

6、金銭債務より:

7、引当金より:

@将来発生する可能性の高い費用で、発生原因が当期以前にあり、かつ金額を合理的に見積もることができるものは引当金として計上しなくてはならない。

→賞与引当金、退職給付引当金、ともに税法上は損金不算入

8、退職給付債務・退職給付引当金より:

@退職一時金制度などを採用している場合は、退職給付引当金を計上しなければならない。

A中小企業退職金共済制度を採用している場合は、毎期の掛け金を費用処理する。

9、外貨建取引等より:

@外貨建取引は、取引発生時の為替相場による円換算額により記録する。

A外貨建金銭債権債務は、原則として、決算時の為替相場による円換算額を付す。

10、個別注記表より:

@重要な会計方針は注記しなければならない。

 資産の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却の方法、引当金の計上基準、収益費用の計上基準

Aその他会社の財産又は損益の状態を正確に判断するために必要な事項は注記しなければならない。

B会計方針の変更があった場合は、その内容及び影響額を注記しなければならない。

11、決算公告より:

@貸借対照表は公告しなければならない。

A公告が官報などの場合は、貸借対照表は「要旨」でよい。

Bインターネットを通じて公告する場合は、貸借対照表は「要旨」ではなく、全文を5年間掲載しなければならない。

12、キャッシュフロー計算書

@キャシュフロー計算書の作成は要求されていないが、経営者自らが経営実態を正確に把握するため、金融機関や取引先からの信頼性を高めるために作成することが望ましいとされている。

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