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18年税制改正のポイント
★18年税制改正のうち法人税関連の改正点は、同族会社が多い中小企業への影響が非常に大きいと思われますので、まず法人関連税制を取り上げます。
改正法案は参院で3月27日可決成立しましたが、詳細は政令の発表まで待たねばなりません。明確になった事柄から随時補充して参ります。施行は4月1日です。
→その他の改正ポイントは 18年税制改正-2 をご覧ください。
法人関連税制 - 1:役員給与に関する大改正
★18年5月施行の「会社法」では、役員報酬・賞与が職務執行の対価として一本化されるのに対応して、法人税の世界でも役員報酬と賞与の区別がなくなり、「役員給与」として一本化され
ます。「定期同額給与」、「事前届出給与」、「利益連動給与」などの新しい用語が登場してきます。
T、実質的な一人会社のオーナーの役員給与の一部を損金不算入とする。
★ここで一部とは「給与所得控除部分」のこと。現在すべての給与所得者は収入金額から「給与所得控除額」が控除されています。
年収1000万円の「給与所得控除額」は現在220万円ですから、法人所得の計算上、役員給与1000万円は損金算入、220万円が利益に加算される結果になるようです。
¶役員給与の一部が損金不算入になる場合とは次の@とAの条件が重なる場合です。
@同族会社の業務を主宰するオーナー役員とその同族関係者が、発行株式総数の90%以上を所有し、
かつ、
A常勤役員の過半数を占める場合。
¶次の@とAの場合は、一部損金不算入の規定は適用されません。
@その同族会社の所得等の金額(法人所得とオーナー役員給与の合計額)が過去3年間の平均額が年800万円以下である場合、
および、
Aその平均額が年800万円超年3000万円以下であり、かつ、その平均額に占めるオーナー給与の額の割合が50%以下である場合、
は、
そのまま損金算入されます。
¶この適用は、平成18年4月1日以後に開始する事業年度からですから、3月決算の同族会社は翌期、すぐに影響を受けることになります。
適用時期は役員給与に関する以下の規定についても同様です。
U、利益連動型の役員給与は原則損金不算入
、但し一定の要件を満たせば損金算入OKです。
原則:利益を基礎として算定される業績連動型の役員給与は今まで同様、原則として損金不算入です。
例外:算定手続きの透明性・適正性が確保されれば損金算入が可能となりました。
¶透明性・適正性が担保されるための主な要件は次のようなものであり、全ての要件がそろわなくてはなりません。
@その法人が非同族会社であること。
A確定額を限度として、客観的な計算方法により算定されていること。
B上記Aは、報酬委員会による決定であるなど適正な手続きがとられていること。
C上記Aは、有価証券報告書などで開示されていること。
Dその業務執行役員だけでなくすべての業務執行役員につき、AからCの要件があてはまること。
V、定期定額の要件が緩和、事前届出により役員賞与損金算入OKに
1、毎月定額が支給されるような「定期同額給与」は今までどおり損金算入です。
2、「事前確定届出給与」は、あらかじめ所定時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与のことで、役員賞与も損金算入され
ることになりました。但し納税地の所轄税務署長にその内容を届け出ることが求められます。そして利益連動型でない役員給与に限られます。
◆事前届出の提出期限は、その役員給与に係る職務開始の日と、その事業年度開始後3月経過の日といずれか早い日です。
初年度特例:18年4月1日事業年度開始の3月決算法人の特例として、提出期限は6月30日となりました。
◆事前届出の主な内容:
→支給の対象者氏名と役職名、給与の支給時期と支給時期ごとの支給金額、@の定期同額の支給にしない理由など。
◆あらかじめ定めていれば、支給時期は毎月でなくても、隔月、四半期ごとなどでもよいことになります。
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法人関連税制 - 2: 同族会社の留保金課税制度の要件緩和
★同族会社は利益が出ても配当せずに社内に留保する傾向が強いので、所得の一定額以上を留保したときは、通常の法人税額とは別に課税する制度です。しかしこれでは中小企業の資金力を低下させるので、内部留保の充実を図るという観点から18年税制改正案では次のようになります。
留保金課税額=(当期の留保所得額-留保控除額 )X特別税率(10%、15%、20%)
1)同族会社の同族要件の緩和:
1株主グループによる持株保有割合が50%超であること(現行は3株主グループにより判定します)。
2)留保控除額を大きくします:次の4つの金額のうち最も多い金額とします。
@所得基準額: 所得等の金額の50%(資本金1億円超の法人は40%) → 現行は35%
A定額基準額: 年2000万円 → 現行は1500万円
B積立金控除額: 期末資本金 X 25% - 利益積立金 (現行どおり)
C自己資本比率基準額(中小法人を対象に、新設): 自己資本比率が30%に達するまでの金額(総資本に占める自己資本には同族関係者から の借入れを含みます)
3)留保金課税の不適用措置の改正:留保金課税を受けないで済むのは下記@のみ
@不適用措置の対象となるのは、中小企業新事業活動促進法の経営革新計画の承認を受けた中小企業者で経営革新のための事業を実施しているものだけとなります(適用期間:平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度)
A現在、留保金課税の適用を受けていない「設立後10年以内の中小企業者」及び「自己資本比率が50%以下の中小法人」は、今後は留保金課税の要件に適合すれば、課税を受けることになります。
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法人関連税制 - 3: その他主な項目
T、交際費課税の見直しと2年間延長:
1)損金不算入となる交際費等の範囲から一人当たり5000円以下の飲食代が除かれます(但し役職員間の飲食代は5000円以下であっても交際費扱いとなります)。
現在資本金が1億円以下の法人は400万円の定額控除額がありますが、400万円以内であっても10%相当額が損金不算入です。この規定は2年間延長されますが、一人当たり5000円以下の飲食代の場合は交際費であっても損金不算入となる交際費に含める必要がなくなります。
会議費などの扱いでよくなります。
2)この改正は交際費の損金算入が認められない資本金1億円超の法人にも適用されます。
3)飲食代「5000円基準」の証明書類の保管(財務省令による):
会社の帳簿などに明確に記載すべき項目は5つ:1、飲食した年月日、2、飲食に参加した得意先や仕入先などの事業関係者の社名や氏名、3、飲食に参加した人数、4、金額、店名、住所、5、その他参考事項
U、少額減価償却資産の特例の見直しと2年間延長:
1)少額減価償却資産の損金算入額の上限を年間合計300万円とする → 現行:年間合計額は無制限
購入価格30万円未満の少額減価償却資産を全額損金算入する規定は2年間延長されますが、損金算入の年間合計額に300万円という限度額が設定されました。
2)適用:平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得した少額減価償却資産について適用されます。
V、欠損金の繰り戻し還付の不適用措置の2年間延長:
当期欠損の場合に、前年の黒字利益による税金を取り戻す制度が平成4年から停止されていますが、これが平成20年3月31日終了事業年度まで2年間延長されます。
例外となる特例措置も2年間延長です→創業5年以内の中小企業に限って欠損金の繰り戻し還付が認められています。
W、中小企業投資促進税制の見直しと2年間延長:
青色申告の中小企業者等が購入する機械装置等に対し、初年度、30%の特別償却又は7%の税額控除が認められる制度で、平成10年に創設されたものです。
1)見直し:対象資産に追加されるもの → 一定のソフトウェアおよびデジタル複合機
対象資産から除外されるもの → デジタル複写機、ファクシミリ、デジタル交換機、デジタルボタン電話設備、電子ファイリング設備、マイクロファイル設備、ICカード利用設備、冷房用又は暖房用設備、
以前からあって今回残った対象資産 → 機械及び装置、器具備品の中では電子計算機のみ、普通貨物自動車、内航船舶
2)取得価額制限は、機械装置が160万円以上、器具備品が120万円以上、
X、情報基盤強化税制の創設:
創設の目的:情報セキュリティ強化の観点から、高度な情報セキュリティが確保された情報システムの導入により、企業の部門間、企業間の情報システム投資を促進することを目的として、情報基盤強化税制が創設されました。
1)青色申告事業者が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、下記のような情報セキュリティ対策に対応したものを取得し、国内で事業用に使用した場合には、取得価額の50%相当の特別償却か、又は10%相当額の税額控除か、いずれか選択できる、という制度です。
★対象資産の内容:
@ISO等に基づいて評価・認証されたOS及びこれと同時に設置されるサーバー
Aデータベース管理ソフトウェア及びこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア:
☆年間投資額は、資本金1億円以下の法人は300万円以上、資本金1億超10億円以下の法人は3000万円以上であること、リースの場合リース総額は420万円以上であること。
Bファイアーウォール(上記@又はAと同時に取得されたものに限る)
Y、試験研究費の税額控除制度の見直し、強化 → (省略)
Z、廃止される制度:
@IT投資促進税制(平成18年3月31日の期限到来)、
A開発研究用設備の特別償却制度(平成18年3月31日の期限到来)
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